日々的な15:私のスピードが宿泊を希望するから、ランデブーから学ぶことを心が拒否して、絆が生まれる的な

無事に岸とローボートの失恋を見届け、いざとなったらU が何とかしてくれるという自信の元、豪快に水跳ねを繰り替えしていると、次第にZの切れていた運動神経が繋がったようで、見よう見まねで(説明を聞いていなかっただけ)、進むようになりました。

U:漕げてる、漕げてる!

A:お母さん、すごーい

Z:そ、そんなことないよー(ドヤ顔)

ボートって漕げると楽しいですね!オールのスピードも上がるってもんです。

A:すごーい!はやーい!

え?早い?さっきも同じセリフを聞いた気がするよ?
ん?髪がね、乱れているんです。ビューって。あれ、これって、この風って音速超えたやつ?
ボンって、空気の塊が白くなるやつ?遅れて音が聞こえる「いっこく堂」的なやつかな?

止まらない!Zの思いは止まらない!
でも、Zの体は止まりたい!なんなら泊まりたい。宿泊希望!
次第に左右のオールを漕ぐバランスが崩れてきました。
バッシャンバッシャン生簀(いけす)かな?

OKOK。落ち着こう。これは、すべて想定内。
慣れないこと(初体験)で調子に乗ったらダメだぞって、身をもって教えたんです。
計算です。計算Zさんです。
バランス崩れることも想定内。
UとA が割とびしょ濡れになるのもきっと想定内。

Z:Uさん・・・替わって・・・。(はぁはぁ)

U:うん、頑張った(深く頷く)

変な絆が見えたところで、安定のU に操縦を任せて、動画なんか撮っちゃう訳です。
キャーって。A、かわいいねーって。U、海坊主だねーって。Z のこと言ったら夕飯抜きだぞって。

近くをね、若い女の子2人組が同じくローボートでランデブー(昭和)中です。

聞こえてない。聞こえてないよ。でも心の耳で聞いちゃった。

(キャー、これ難しいね!)

(ちょっと、疲れたからゆっくり漕ごうか)

(うん、あ、魚が跳ねたね、キラキラ女子Aちゃんの方が可愛いよ!)

(あ、鳥も飛んでるよ、気持ちいいね、キラキラ女子Bちゃんの方が可愛いよ!)

(ボートって楽しいね!また来ようね!)

ハッとしました。

これだ、これが女子だと。
この儚げな、きゃっきゃとした可愛らしさですよ!
こう、白くてパステルピンクで、キラキラしたこの感じですよ!綿あめですよ!
え?彼女たち、なんなら私が漕ごうか?とか思ってる場合じゃないですよ。

彼女達はZ が無くしてしまった何かを思い出させようとしてくれています。

全力で音速出してる場合じゃない!でも、思い出せない!

心がー、心が拒否するー!

青ざめながらU の顔をみたら、

U:うん、頑張った(深く頷く)

通じ合ってるっていいよね。(げっそり)